漢方薬とは
漢方薬は古代中国で生まれ、日本に伝わってからのち独自に進歩を遂げた歴史的な治療法です。近年、西洋医学を補う有効な治療法として、再評価されています。
食欲不振や気だるさ、むくみ、ほてりなど、西洋医学での検査を行っても原因がはっきりしない症状に対しては、漢方薬での治療が有効な場合があります。また、漢方薬は個人の体質(証)に合わせた処方が必要であり、西洋医学とは異なる独自の診察術・理論にもとづいて体質(証)の評価・判断を行います。
当院でもこのような伝統的な診察・治療を取り入れ、西洋医学と漢方医学の併用により病気や体質の改善を目指していきます。
漢方診療での診察・診断
人間には、それぞれ体質や体力、症状の現れ方などによって特徴があります。漢方診療では、その特徴を「証」として正しく見極め、理解した上で漢方を処方することで最適な治療効果を期待することができます。
「証」を評価することを「弁証」といい、これには「六経弁証」、「八綱弁証」、「臓腑弁証」など幾つかの理論があります。(よく言われる「虚実、寒熱、表裏」は八綱弁証で用いる用語です)
当院の診療では、「証」を判断するために、聞診・脈診・腹診などの診察を行ってから処方を検討します。同じ症状であっても、「証」によっては処方する薬が変わってくる場合があります。
漢方薬の処方について
本来の漢方薬はほとんどが煎じ薬であり、複数の生薬を混ぜたものを煮出して作るものですが、現在では服用に便利なエキス製剤が開発されています。煎じ薬をインスタントコーヒーのようにしたものです。当院の漢方診療では医療保険の適応のあるエキス製剤の漢方薬を使用しています。
「証」の組み合わせは、患者様ひとりひとり異なってきます。漢方薬の処方は、体質や病態に応じて処方するオーダーメイドの処方を行うことが大切です。